三階建て建築の規制
2020年7月5日「日曜日」更新の日記
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- ところが、そのような流れが変わりはじめています。建設省が木造住宅振興室を設置し、木造建築を推進する施策として三階建て建築の規制が緩和されました。防火性能のある外壁材等を使用すれば、準防火地域でも木造住宅が建築可能になったのです。このように、木材と木造建築に対する認識に変化が生じてきた背景には、耐震・耐火性を重視した木造住宅が、住宅メーカーから多く登場してきたこととも密接な関係があります。1978(昭和8)年の宮城県沖地震後の教訓を受けて改正された新耐震基準をクリアした商品が次々と発売され、「地震や火災に弱い木造住宅」のイメージは払拭されていきました。また、近年木材は、エコロジカルな素材としても再評価されています。それは二酸化炭素を内部に蓄える性質があるからです。木は吸収した二酸化炭素を太陽エネルギーによって炭素化合物にかえ、内部にストックします。日本の年間二酸化炭素総排出量約3億tのうち、約1%にあたる5400万tが森林でストックされています。蓄えられた二酸化炭素は、その木材が燃やされないかぎり放出されることはありません。伐採されても、二酸化炭素はストックされたままですから、住宅の素材として木材を使用することは、森林が形をかえて都市に移動しているともいえます(有馬孝禮氏「エコマテリアルとしての木材」より)。さらに、素材を生産するエネルギーの消費量を比較した場合、コンクリートや、鉄、アルミニウムといった他の住宅素材に比べて圧倒的に少なくなっています。このように、木材は環境に負荷をかけない理想的な建築素材といえます。
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