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未完成な家も楽しい(2)

2020年6月29日「月曜日」更新の日記

2020-06-29の日記のIMAGE

・資金と子どもの成長に合わせて順次、増築
Tさんは結婚と同時に家を建てました。都心から一時間半、夫の会社から車で一分の神奈川県S市に、夫婦二人が住める最小限の家をつくりました。次ページのように、まず、子どもが生まれたら増築するつもりで、家の中心となる居間、食堂、台所と水まわりを建てたのです。四年後、長男、次男と誕生して子どもが二人になったので、夫婦の寝室を増築。資金がなかったので勉強部屋用のプレハブを安く手に入れ、母屋とつなぎました。つなぎの三帖ほどのスペースが子どもの遊び場として活躍してくれました。さらに五年後、長女の誕生で子どもが三人に。プレハプをとりはらい増築。直接、縁側から二階の子ども部屋に行けるようにしたので、近所の子どもたちのたまり場となりました。いくら騒いでも母屋の居間には聞こえないので、大いに騒ぎ、遊んだようです。そして四年後、長男が都内の中学に入学。妻も働き始めて都心からあまり遠いのが不便になり、都内にマンションを買って転居することになりました。三人の子どもの誕生、成長とともに、この家がどういうふうに「成長」したかは図のとおりです。
・未完成な家を楽しむコツ
新築時に限られた予算ですべてをつくるのではなく、まず必要な部分からつくっていくというやり方は、子どもが小さい時には大変有効です。屋根や土台、柱などはむしろお金をかけて、しっかり長持ちするようにつくることも「未完成の家」ならやりやすいでしょう。ただし、最終的に完成した時どういう家にしたいのかを、初めからきちんと考えておかないと、増築した時にちぐはぐな家になってしまいます。つぎ足し増築をくり返して、廊下ばかり長くなったり、窓なしのあんどん部屋ができてしまった家を時々見かけます。最初の家を建てる時に増築したり、間仕切を増やしたりした結果の家の完成図までつくっておけば万全でしょう。でも二人のはずの子どもが四人になったなどと、予定はあくまで予定です。Tさんのように主婦が仕事を持ったり、子どもの通学のために、都心に近い場所へ引越すこともあります。そのあたりは柔軟に、家族をとりまく状況に合わせて予定変更するというのも、未完成の家を楽しむコツといえるでしょう。

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