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子供への高層住宅の影響(2)

2020年6月21日「日曜日」更新の日記

2020-06-21の日記のIMAGE
・お年寄りと子どもに配慮があるか?
かって私も高層マンション団地の設計にかかわっ「ていました。高く積み重なる分、緑地や児童公園などの公共空間がいかに広くとれるかと、高層住宅のよさを模型や表を使って発注者に説明したものです。図面として見ているだけだった時、そこに住む人の気持をどこまで考えていただろうかと反省するばかりです。設計者も発注者も売り主も、今思えば子育てや老人介護などを身近な問題として考えたことのなさそうな人たちばかり。若かった私も疑問を持たずにその中にいたのでした。地価の高い都心部でも、高層住宅なら、わりに安く手に入り、眺めもよいということで人気があるようです。お年寄りや子どもにいかに住みにくいか、その境遇になればすぐわかるのに、いい話ばかり聞いて高層住宅を選ぶ人も少なくないのではないでしょうか。
・高層住宅でのある子育て
高層住宅に住むある友人は、子どもが幼稚園に行くまでは、毎朝大きなカゴに手紙やつくろい物、軽食までつめて昼寝の時間まで家にはもどらない覚悟で、子どもと一緒にエレベーターをおりたとか。団地の中に大きな公園があるので、子どもが遊ぶのを目の端で追いながら、親はベンチでつくろい物などを片付けたのだそうです。おかげで子どもは真っ黒に日焼けして、高層住宅育ちとは思えないワンパクに育ち、同じ公園に遊びに来る母親同士も仲よくなり、子育てネットワークもつくれたそうです。その代わり、掃除や料理などは手抜きで、家族には目をつぶってもらったとのこと。ただでさえ忙しい育児期間ですが、高層住宅に住む以上、親が子育て上の欠点をカバーする努力が必要だと、友人の話を聞いて思いました。それにしても、防災や防犯、育児など、生活する人のことをもう少し考えて高層住宅を建ててほしいものです。

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