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母親が孤立しない家づくり(1)

2020年6月18日「木曜日」更新の日記

2020-06-18の日記のIMAGE
働く母親が増える中で、私は子どもが生まれた時、仕事をやめて子育てに専念する道をとりました。結婚後も仕事をしていたので、専業主婦になるのはこれが初めてのことです。郊外の団地に住んでいますが、住み慣れた環境も、仕事をしていたころと立場が変わると、こんなに違って見えるものかと驚くことばかり。まず驚いたのは、生まれたての赤ん坊をかかえた新米母親になったとたん、世の中の動きから遮断された孤立状態になったように感じたことです。育児についてはわからないことだらけ。聞きたいことはいっぱいあるのに、誰に聞いていいのかわからないのです。今までの友人は電車や車に乗らないと会えない、遠くに住む人たちばかり。子育て経験のありそうな近所の先輩主婦たちにも、今までおろそかにしていた近所づきあいのせいで、そう気安く声はかけられません。今になって思えば、心に余裕があれば勇気を持って聞けたかもしれない悩みも、夜昼なくおっぱいを要求する赤ん坊にふりまわされて寝不足の状態では、とても相談できませんでした。
・育児ノイローゼになりかかって
育児ってこんなに大変だったの?紙オムツや電気洗濯機や電子レンジのおかげで、今の母親はずいぶん楽になったという話だったけれど、精神的には少し以前の親たちのほうが、もっと楽に子育てしていたんじゃないだろうか。おばあちゃんや近所のおばさんが、新米母親にとって、もっと身近で心強い味方だったんじゃないだろうか。もちろん、うまくおつきあいするための苦労もあったでしょうから、「昔はよかった」なんて言えませんが。赤ん坊をかかえて外出もままならぬ私にとって、頼りになるのは育児書とテレビの育児相談。でも不特定多数に向けて書かれているためか、ちょっと熱を出したりブツブツが出たからといって育児書をめくると、「おそろしい病気の可能性もあり」と書いてあってギョッとなります。同じくらいの子どもを持つ母親の「大丈夫よ。うちもやったけれどすぐ治ったわよ」という一言でこんな不安は氷解するのですが、そういうことを話せる相手がいないと、ひたすら不安が積み重なってしまいます。現代は情報過多といわれながら、膝っきあわせてのつきあいがむずかしくなっているそうです。思えば私も仕事のつきあい以外では、友人とは電話で話すほうが多くなっていました。それも赤ん坊がいるとじっくり電話で話してわかりあうという時間はつくれなくなりました。

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