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夫婦別室にすると

2020年6月14日「日曜日」更新の日記

2020-06-14の日記のIMAGE
結婚当初、Kさん夫婦はベッドを二つ並べた一般的な寝室を使っていて、夫は別に書斎を持っていました。子どもが生まれ、ベビーベッドを寝室に入れると、夜中の授乳などのために睡眠を妨げられた夫は睡眠不足になりがちでした。残業で就寝の遅い夫の睡眠時間を確保するために、夫のベッドを別室に移すことにしました。この時点で、夫婦別室も悪くないなとお互いに感じたようです。子どもが少し大きくなり、一階の陽当たりのよい寝室は子どもに明け渡しました。妻もベッドの置ける自分の部屋を確保し、設計の仕事を再開した時期でもあったので、寝室兼仕事室としました。これで各々が相手のじゃまをすることなく、遅くまで仕事をしたり本を読んだりできる態勢ができ、夫婦別寝室の心地よさを体験できたわけです。数年後、家を新築するにあたって、Kさん夫婦は迷うことなく別々の寝室を持つことにしました。しかし、これまでのあり合わせの部屋を使うのとは違って、ちょっとした工夫がしてあります。二つの部屋は、高さ二m、幅一・八mの大きな板戸がついた開口部でつながっています。その一本引建具を本箱の裏に完全に引き込むと、南に開放された一つの大きな部屋のように感じられます。夫婦が一緒にいたい時はもちろん、仕事や読書などで一人の時間を持ちながらも相手の存在を感じていたい時、妻が昼間一人でいる時など、なるべく広い空間を感じていたいので引戸はあけておきます。就寝時には引戸をしめます。夫婦のどちらかが夜遅くまで仕事をする時、遅くまで本を読んでいたい時、朝早く目がさめてしまった時、顔を合わせたくない時、そんな全く一人になりたかったり、相手のじゃまをしたくない時などにも、うまく対応できます。また、一人はクーラー好き、一人は嫌い、一人はちょっとでも光が入ると寝つけないけど一人は平気、そんなデリケートな眠りの好みにも対応できます。この家では、夫は机に椅子、それに合わせた高いベッド、妻はざぶとんに座卓の高さの製図台、それに合わせたマットだけの低いベッド、そんなものも好みに合わせて選んでいます。別室なのでこれが可能になりました。夫婦各々が自分の好みで勝手にするのではなく、話し合って、協調したり、我慢したりするのも一つの生き方でしょう。どういう生き方を選ぶかは各々の夫婦が決めることです。Kさん夫婦の例も一つの夫婦の生き方、そしてそれに合った寝室のあり方だと思います。

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