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家への思い入れを共有したい(2)

2020年6月11日「木曜日」更新の日記

2020-06-11の日記のIMAGE
生まれ育った家に愛着があり、あまり手を加えたくないという思いと、母親の年齢を考えるといずれ同居の形も変わることが予想されるので、この時点であまりお金をかけたくないという思いがSさんの夫にはあったと思います。夫の意見を入れて、変更のきく部分は変更し、何とか工事は終わりました。もし最初からSさんの夫や義母の気持も聞くことができ、また私自身古い家を大事にし、家族の家への思い入れを大切にしなくてはと気がついていたら、もう少し設計への取組みが変わっていたと思います。嫁姑間、夫婦間のあの断絶の中で、設計段階でどこまで家族皆の思いを聞き出せたかは疑問ですが、古いものを大事にしながらSさんの思いも満たす方法を探る努力をもう少しすべきだったと悔いが残っています。古いものを大事に使ってゆくには、使い勝手の悪さを我慢する場合も出てきますし、維持費も新しいものに取り替える以上にかかることがあります(カヤ葺屋根を想像してください)。ですから、家族皆がその家への思い入れを共有していないと、家族の誰かに不満が残ります。Sさんの家の場合、住みなれた家への夫や義母の思い入れがSさんに伝わっていなかったし、若かった設計者もそれを理解する点と技術的なノウハウという点で未熟でした。

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