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みんなでつくったわが家のシンボル(1)

2020年6月7日「日曜日」更新の日記

2020-06-07の日記のIMAGE
家の中にどこか、家族手づくりの思い入れのある場所をつくると、家づくりが家族みんなにとって、ぐっと身近なものになることがあります。玄関の床タイルに手づくり陶器を埋め込んだ家族、寝室の洋服ダンスの扉だけは手づくりで、エーデルワイズの花を彫った山好きの家族もあります。Iさんの家では、玄関前のカーポートの床はモルタル塗ですが、デザインに工夫して一部にノンスリップタイルを貼ることにしました。その際、ちょうど門扉の前になるところで、タイルを貼らないモルタル塗の部分に、家族の名前を刻むとか、何か面白いことができないかと考え、Iさんに提案しました。
●おばあちゃんの提案で記念の言葉を彫る
すると、いつも打合せに出ていらっしゃるおばあちゃんが、「名前ではつまらない。毎日家族が踏んで出入りするところだから、何かよい言葉を刻みたい。孫たちはじめ家族皆が前向きに、積極的に生きていくようにと願いをこめて、前進とか進歩とかいう意味の言葉を刻みたい」とおっしゃるのです。では、どんな言葉がよいか、家族中で考えられました。日本語、英語、気に入る言葉が見つかりません。けっきょく、Iさんの友人の英語の先生に相談して「SOAR」と決まりました。SOAR(ソアー)とは「飛翔」「舞いあがる」という意味のとてもきれいな言葉です。厚さ二mmほどのスチロール板をくり抜いて字の型をつくり、それを土間コンクリートの上にモルタルを塗る時に埋め込みました。字は英語を習い始めた中一の息子さんが、私が貸したレタリングの本を参考にして書きました。スチロールはニクロム線を使ったスチロールカッターで切りますが、少しぐらい曲がってもよいから皆でやろうと、小学生の二人の子も加わって四つの文字ができました。当初モルタルが固まったらスチロールは取り出すつもりでしたが、泥が入ると気になるからと、スチロールを埋め込んだままにして、接着剤で固めてあります。結果的には、モルタル面より少しくぼんだ感じで、白い字がはっきり見えるようになりました。
・子どもたちの出番をつくる
「上棟式に、子どもも出席させたほうがよいでしょうか」とIさんに聞かれた時、私は「自分の家の上棟式に出ることはそう何度もあることではありません。是非出させてください。工事中も、自分の家ができあがっていく様子を、毎日でも子どもたちに見せてあげてください」と話しました。上棟式当日、お祝の料理を一生懸命食べているIさんの子どもたちを見ながら、家づくりにおいても何かこの子たちの出番があるといいなあと考えていたわけですが、それが、こういう形で実現したわけです。

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