不動産探しと暮らしのアイデアを伝授!住まING

トップ > 令和2年3月> 8日

オーストラリアで出会った大家さん

2020年3月8日「日曜日」更新の日記

2020-03-08の日記のIMAGE
オーストラリアに住んでいたとき、なまりの強いオージーイングリッシュと呼ばれるオーストラリア英語を意識すればするほど、私の発音がおかしいような気がしてしまいました。
そんな、ちょっとオーストラリア英語での会話に幻滅していたときに、イギリス人の老夫婦に出会ったのです。子どもがいないその夫婦は、自分の家に留学生を受け入れることで寂しさを紛らわしているといいます。
なまりのない英語を話すイギリス人の家に住めると私は喜んで、そこにホームステイすることに決めました。
「良心的なステイ先でしたが、家賃は決して安くありません。通常のアパートを借りる場合よりも高く、日本円にして週単位で約1万円ほどかかりました。その夫婦はいわゆる大家さんで、日本でいえば下宿屋さんのようなものでしょうか。
大きな家には部屋が5つあり、そこに留学生が住んでいました。基本的には食事の支度と掃除はその夫婦が世話してくれ、洗濯だけは各自がします。
その夫婦は私たち留学生からの家賃と、近所にもう1軒所有する家を他人に貸して、その2つの家賃収入と年金で暮らしていました。
あるとき、「今住んでいる家を売ることにした」と突然いい出したのです。
といって、追い出されるわけではありませんでした。
この家の購入価格よりも、日本円にして400万円ほど高い価格で買い取ってくれる人が見つかったからだそうです。夫婦は大急ぎで、私たち留学生がそのまま移り住める別の物件を探し始めました。
売却価格から税金などは差し引かれますが、その利益分の400万円をこれから1年間の生活費にあてるというのです。留学生がいつも入居しているとは限らないので、こういったタイミングは絶対逃さないのだといいます。
夫婦の生活が途中で苦しくなったとしても、留学生3人が入居していれば、1人毎月5万程度の家賃収入でも15万円。必要最低限の生活は送りことが出来ます。
たとえ一人だけだったとしても、5万円と年金さえあれば、生活が出来ないことはないでしょう。この夫婦の場合は家を売買して、儲けた額を生活費にあてるのが得意中の得意でした。それは、日ごろの心がけから徹底していました。

このページの先頭へ