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おわりにだからこそ同居(2)

2020年2月19日「水曜日」更新の日記

2020-02-19の日記のIMAGE
爆発的なヒットとなった、「三世帯住宅」が私の手を離れて一人歩きを始めてしまったのである。一方、私は自分が大きな失敗を犯したことに気づき始めていた。完全分離型の二世帯住宅では、とくに必要がなければ互いに顔も合わせずに暮らすことが可能である。むしろ会わずに暮らすほうが自然なのかもしれない。それで双方がほんとうに満足なら、そんな生活もいいのだろう。しかし実際には、同じように「勝手気まま」を求めているようでありながら、親夫婦と子夫婦の間には微妙な温度差がある。子夫婦のほうでは、同居話がまとまり、念願のマイホームを手に入れたことで一段落ついた気分になっている。そうでなくても仕事や子育てに忙しい毎日。これから始まる新生活のことで頭はいっぱいで、下手をすれば階下に住んでいる両親のことなど忘れてしまう。ところが親夫婦のほうでは、子どもたちの様子が気になってしょうがない。無理もないだろう。我が家の建て替えという大事業も終わり、夫婦二人きりの単調な生活だ。ときには、にぎやかな食卓も囲みたいし、かわいい孫の顔も見たいに違いない。それなのに二階に住んでいる息子一家はまったく寄りつかない。はたしてこれで、同居といえるのだろうか。家族と呼べるのだろうか。

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