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おわりにだからこそ同居(1)

2020年2月18日「火曜日」更新の日記

2020-02-18の日記のIMAGE
「同居といえば三世帯住宅」今や同居住宅の代名詞となった感のある「二世帯住宅」だが、じっは私もその誕生に深く関わっている。今をさること三五年ほど前。祖父母、両親、子どもたちがそろって一つ屋根の下で暮らす大家族はさほど珍しいものではなく、一般には「三世代同居」と呼ばれていた。その当時、ドイツで開発されたALCと呼ばれる発泡セメント板を某化学製品メーカーが輸入し、新建材として売り始めた。ALCは当初、コンクリートの代用品として工場建設などにさかんに使われたが、メーカーは販路をさらに広げるため、一般住宅市場への進出を計画。当時の担当者から相談を受けた建築家がこの私だった。私はALCの特性をじっくりと考えた。コンクリートと違って、ALCは内部に気泡をたくさん含んでいる。断熱効果や防音効果が高いということだ。だとしたら、同じ建物の一階と二階に別世帯が住んでも、木造と比べて静かで暮らしやすいのではないか。こうして「二世帯同居住宅」のアイディアが生まれたのである。私のなかには、たとえ上下に分離した構造であっても、あくまで「同居のための家」という意識があった。ところがメーカー側は「同居」の言葉をはずし、「勝手気ままの二世帯住宅」として販売。

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