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将来を見越したスキップ・フロア

2020年2月16日「日曜日」更新の日記

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岡田さん宅の工事では、基礎や柱梁にもすべて無垢の木材を使い、仕上げにも珪藻土をはじめとする安全な建材ばかりを使用した。家のなかで思いっきり深呼吸のできる、完全なケミカル・フリー住宅である。間取りの面で最大の特徴は、半地下の駐車場、主寝室と和室のある一階、玄関やLDKを中心とした中二階、そして二人の息子の部屋がある二階を半階ずつずらしたスキップ・フロア構造を採用したことである。一般にいわれる高齢者向け住宅とはかなり趣が異なることに、すぐ気づかれることだろう。高齢者住宅といえば、極力、段差を排したバリアフリーで、二階建てなら家庭用エレベーターを設置するのが最近の流行だ。しかし岡田さんの新居には段差もあれば、階段もある。「早くからバリアフリーの家で自分を甘やかすと、かえって足腰が弱り、老化が進む」という私の意見に、岡田さん夫婦も賛同してくださったためである。段差や階段があっても、必要になったら手すりを取りつけられるよう壁の内部を補強しておいたから、さほど心配することはない。とくにスキップ・フロアの場合は、階段を上るにしても下りるにしても、通常の半分の移動ですむため、年をとってもあまり身体に負担をかけることがない。むしろ手すりを握りながらゆっくり歩けばいい運動になるはずだ。さらに、通常の二階建ての場合、一階にLDK、二階に子ども部屋といったプランだと、それぞれのフロアが完全に分離してしまう。ところがスキップ・フロアなら、中二階のリピングルームを中心に、半階だけ上ったところが子ども部屋、同じく半階だけ下りたところが親の寝室。家族がどこにいても、たがいの存在がとても近く感じられる。家族の一体感が強まる効果もあるわけだ。

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