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車椅子より絹の座布団で移動(1)

2020年2月6日「木曜日」更新の日記

2020-02-06の日記のIMAGE
広い廊下も車椅子での移動を想定している。しかし、我が家のなかで車椅子に乗る毎日は日本人の生活スタイルや心情にあっているのだろうか。たしかに欧米では、一日中、車椅子に座って暮らしている老人がたくさんいる。しかしそれは小さい頃から椅子の生活になじんでいるうえ、家のなかでも屋外と同じように靴を履いて暮らす習慣があるためだ。はだし日本の家は欧米の家とは違う。玄関で靴を脱ぎ、床や畳の上は裸足で歩く生活である。さらに私たち日本人は、家のなかに泥やほこりが入り込むことを極端に嫌う。そんな家のなかに、はたして車椅子を持ち込むことができるだろうか。路上で泥や犬の糞を踏んだかもしれない車椅子で、我が家の廊下に乗り込む気持ちにはなりにくい。この先、路上や公共機関のバリアフリーが進めば、車椅子で外出する老人も増えていくだろう。しかし我が家に帰ったら、やはり介護者の手を借りて車椅子を降りる人が多いはず。したがって玄関のスロープだけでなく、広い廊下もあまり意味がない。そもそも足腰の弱った老人でも、車椅子さえあれば自由に動き回れるという発想自体が問題だ。先天的な障害やケガのため、若いうちに身体が不自由になった人なら、訓練によって車椅子の操縦は上達する。

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