バリアフリーとは何なのか(1)
2020年2月4日「火曜日」更新の日記
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- 老後のための家と聞けば、ほとんどの人が思い浮かべるのが「バリアフリー住宅」なる言葉ではないだろうか。最近では、ハウスメーカーの広告を見ても、あちこちの住宅展示場を回っても、バリァフリーをうたい文句にした家がとても増えている。しかし、伝家の宝刀のように見えるバリアフリーも、私のような同居住宅専門家から見れば、多くの場合、その内実はお寒い限りと言わざるを得ない。気になる方には、まず近くの住宅展示場を訪れてみることをお勧めしたい。どのメーカーの家を見ても、決まって目にするのは段差のない床とやたらに広い廊下、手すりだらけの廊下。そして、営業担当者が説明するのは、玄関に取りつけ可能なスロープや家庭用エレベーターの話である。段差のない床はいい。年をとって足腰が弱ると小さな段差にもつまずきやすく、ちょっとつまずいただけでも骨折などの大きなケガを負いやすい。だから老後を見すえた住宅に段差はないに越したことはない。しかし、手すりだらけの廊下というのはどうだろう。ちょっと想像してみていただきたい。自分では元気なつもりでも、家のなかのいたるところに手すりがあれば、ついつい頼ってみたくなる。そうして手すりに頼った日常生活を続けるうちに、いつのまにかほんとうに足腰が弱り、手すりなしでは歩けなくなる。
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