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登記に課税する起源と背景

2019年12月18日「水曜日」更新の日記

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日本の登記制度と登録税というのは、明治開国からのヨーロッパの制度の移入であるが、その本家であるヨーロッパでは、土地の所有権を王などの権力者に認知してもらうための対価として起源している。王の権力により、自分の財産を保障してもらうための対価としての税金であった。その財産に対して課税する効率的な方法がないために、登記という手続きの時点を捉えて課税したものである。印紙税とともに、外形課税であり、王室の主要な財源の一つとなっていた。<日本での沿革の変遷>日本では、明治維新により土地売買が自由化され、土地の所有権を証明する地券が明治5年に発行されたが、明治19年に登記法が制定され、地券制度は廃止された。この登記をするときに登記税が課せられることになったが、このとき、単なる手数料としてではなく、有力な財源として期待されている。ここには、登記という手段で、不動産の権利の移動を間接的に把握して課税しようという目的がある。その後、日清戦争後の国費膨張に対処するため、明治29年に「登録税法」に改められ、昭和44年に全文改正され、「登録免許税」として今日に至っている。その後、昭和20年に土地・建物を取得したときの不動産取得税が都道府県税として制定され、また、建物の取得については、平成元年からは消費税が課税され、印紙税もあり、土地や建物の取得をするには、これらの多重の税を負担しなければならず、土地・建物の流動化を阻害している。不動産の流動化のためにも、また税制の簡素化のためにも、これらの税の一本化と負担の軽減がのぞまれるところである。

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