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正社員も維持できない年収・雇用

2019年11月17日「日曜日」更新の日記

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2003年、経済評論家の森永卓郎氏が『年収300万円時代を生き抜く経済学』(光文社)を刊行。年に1億円以上を稼ぐーパーセントの大金持ち、年収300万~400万円の一般サラリーマン、年収100万円程度のパート労働者・フリーターの三層構造社会がやって来ると説き、話題になりました。すでに現在、森永氏の予想に近い状況になっているといえますが、実際には、これからまだまだ格差は広がっていくでしょう。国税庁の「民間給与実態統計調査」によれば、2007年に1年を通して働いた人のうち、年収200万円以下の人がなんと、1032万人。全体の8パーセントにのぼる数字です。これはつまり、日本で働く人の4・5人に1人が、すでに年収200万円以下になっているということです。年収が下がっていくだけではありません。より根本的な問題もあります。「100年に一度」といわれる現在の大不況は、私たちの暮らしにさまざまな影響をもたらしました。中でもインパクトが強いのは、企業の業績悪化による雇用不安です。内閣府が発表した2009年1|3月期の実質GDP成長率は、戦後最悪の数字でした。近年、GDP成長率を輸出産業に頼っていた日本は、アメリカ経済の壊滅的な荒波に巻き込まれたのです。企業は一斉に人件費削減に走りました。2008年の年末に「派遣切り」が社会問題となったことは、象徴的でした。あらゆる産業分野で大規模なリストラが実行され、終身雇用制が崩壊しつつあった日本企業に、未曾有の金融危機がとどめを刺した格好です。正規労働者を保護する性格の強い日本の法律では、正社員をすぐクビにはできません。そのため企業は、正社員を減らす代わりに、正社員の自然減を補充しないで非正規労働者を増やすというやり方を続けています。こうして、言葉は悪いですが、業績が悪化すれば簡単に契約を打ち切ることができる、派遣社員や契約社員といった非正規労働者が急増しているのです。

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