不動産探しと暮らしのアイデアを伝授!住まING

トップ > 元年11月> 2日

新スキームの実現に向けた条件整備1

2019年11月2日「土曜日」更新の日記

2019-11-02の日記のIMAGE
以上のような新スキームの構築には、来世紀を見据えた息の長い取り組みが求められます。また、新スキームの実現を目指す一方で、既存の制度や商品を軸としたリバースモーゲージ市場の育成や活性化、成熟を促していくことも肝要です。そのためには、以下に挙げるような条件整備を段階的に行っていくことが必要です。(1)普及・啓蒙体制の整備現行の制度や商品についても、その存在や内容が一般に十分に知られていないことが、普及の大きなネックになっています。新スキームの実現に向けて潜在需要を掘り起こすためには、まず現行制度の存在を周知徹底することが不可欠になります。このため、現行の制度や商品を扱う自治体や信託銀行は、窓口による啓蒙・普及の機能を強化に努め、リバースモーゲージ自体の一般認知度を高めるとともに、関連情報の継続的かつ一元的な管理体制を整えることが必要です。(2)総合的なカウンセリング・コンサルティング機能の充実リバースモーゲージは各個人が老後の生活設計と資産の処分を判断する極めて重大な決定行為です。しかし、現在の制度の仕組みはかなり複雑で一般には理解しにくくなっています。大切な居住用不動産を担保とするだけに、利用者の不安は小さくはありません。このため、新スキームだけでなく現行の制度や商品においても、適切なコンサルティングとカウンセリングを事前に行うことが不可欠になります。金融ビッグバンを控えた金融・保険業界は、顧客の人生設計のニーズに沿った各種提案によって新たなビジネスチャンスを獲得しようと競争しています。その中心となるのがファイナンシャルプランナー(FP)と言われる人々で、業界はその育成を強化しています。ファイナンシャルプランナーの今後の主要テーマは「リタイアメントプランニング」になると言われており、融資主体や事業主体には、リバースモーゲージの今後の展開に向けて、日本ファイナンシャル・プランナーズ協会や弁護士・税理士・公認会計士などと協調することが今以上に求められるでしょう。公的機関による講座の実施など、専門家の育成策も検討すべきです。また、利用者が十分納得してリバースモーゲージを選択し、制度の運用についても誤解が生じないよう、トラブル防止に関わるガイドラインの設定を公共が誘導することも考えられます。

このページの先頭へ