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瑕疵担保責任と補修義務は別

2019年6月19日「水曜日」更新の日記

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分譲マンションのある部分に瑕疵があった場合、買った人は、補修工事の請求をすることが当然のことと思います。しかし、これが実は大問題なのです。というのは、売主たる分譲会社が、補修工事をする旨を、売買契約上に明言していればよいのです(住宅・都市整備公団の分譲例)が、補修義務を明言せず、単に瑕疵担保責任を負うとしていれば、補修義務はないことになりかねないからです。というのは、民法の瑕疵担保責任というのは、特定物売買を対象(簡単にいえば、欠陥商品と代わりの同商品が供与できないものを対象)としていますので、瑕疵修補請求権は規定されていません。しかし、瑕疵修補請求こそ分譲マンションの買主にとって必要な権利であり、そう解さなければ現実にも副いません。したがって、この場合には、民法で請負契約には瑕疵修補請求権を認めている関係上(民法六二四条一項)、この条文を類推するとか、補修請求は、商慣習となっているものとして、これを根拠に補修請求を認めるべきでしょう。いずれにしろ、この場合、あなたは、一定期間を定めて補修請求をすべきでしょう。もし、売主たる分譲会社が、補修請求に応じない場合には、その旨の裁判を起こすか、損害賠償請求をする方法をとらざるを得ないでしょう。さらに、欠陥がひどく契約の目的を達せられない場合には、売買契約を解除し、損害賠償請求もできますが、契約解除する場合はまれでしょう。つぎに、瑕疵担保責任の期間、つまりいつまで補修工事請求や損害賠償請求ができるかということですが、売主の分譲会社との契約で何も定めなければ、民法が適用され「買主が瑕疵を知ったとき」から一年以内に請求しなければなりません。しかし、多くの分譲マンションの契約では、瑕疵担保責任は引渡後二年間としております(宅地建物取引業者が売主として売買契約をした場合には、宅建業法では、引渡後二年以内に短縮することを許されないとしている関係上、最低の期間を記載する)。ところが、このような短期間の責任期間は鉄筋の軀体の欠陥から生ずる瑕疵は、引渡後二年という短期間ではまったく話になりません。しかし現状では、売買契約上にアフターサービス条項がないかぎり、やむを得ないという状況です。したがって、あなたの場合、売主との契約の瑕疵担保責任の特約が、引渡後二年間であれば、責任期間は経過してしまっていることになり、泣き寝入りになってしまいます。

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