不動産探しと暮らしのアイデアを伝授!住まING

トップ > 元年6月> 11日

マンション内で開業したバーをやめさせるには

2019年6月11日「火曜日」更新の日記

2019-06-11の日記のIMAGE
マンションニ階の所有者が、室内を改造してバー営業をはじめました。私ども皆で、バー営業は住居専用を定める管理一規約に反するし、風紀も悪くなるので、営業しないよう申し入れたのですが、聞いてくれません。これをやめさせることはできないものでしょうか。管理規約違反の行為に対しては、これまでも、裁判で行為の差止め、禁止が認められてきましたが、改正法では大幅に強力な権利が与えられました。これにより、区分所有者は、従来にもまして、共同の利益に反する行為を、徹底的に禁止することができるようになったのです。ご質問の。バー営業は、これまでに区分所有者が営業の廃止を申し入れたのに効果がないとのことですので、直ちに法五八条に基づいて、一年間(半年でもよい)の使用禁止の訴訟を起こすのがよいでしょう。この訴えを起こすには、「共同部分の利用の確保、他の区分所有者の共同生活の維持を図ることが困難」であることを理由に、違反者を除いた他の区分所有者の全員が、または管理組合法人が集会を開いて、訴訟で、バーとしての使用禁止の請求をする旨の決議をしなければなりません。ただし、この決議は、区分所有者および議決権の各四分の三以上の賛成が必要です。また、決議をする集会には、バー営業をしている区分所有者に出席を求めて、弁明する機会を与えなければなりません。出席通知を受け取ったにもかかわらず出席しないときには、機会を与えたことになり、欠席のまま決議をしても差し支えありません。決議のあったときは、管理者か集会により指定された者が原告となって、バー営業者を被告として訴訟を起こします。訴訟に勝てば、専有部分の自己使用は禁止となりますので、バー営業は廃止せざるを得なくなります。しかし、所有権には影響がありませんので、他人に賃貸することはできるし、他に売却することもできます。なお、バーの営業者が、区分所有者ではなく、賃借人の場合であっても、法六〇条で、集会の決議を得て、訴訟によって、区分所有権者と賃借人の賃貸借契約を解除し、その専有部分の引渡しを受けて、バー営業を廃止させることができます。この場合、管理者が引渡しを受けますが、所有権を得たわけではありませんので、管理者は、直ちに区分所有権者に対して専有部分を返さなければなりません。他人間の契約を解除してまでも、共同の利益を護ることができるようにした改正法は、終局的には、さらに一歩を進めて、違反者の区分所有権を競売してマンションより排除する権利までも与えています(法五九条)。大改正といわれるゆえんです。

このページの先頭へ