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2019年6月2日「日曜日」更新の日記

2019-06-02の日記のIMAGE
昨今、海外の報道などで「アジア・イクセプト・ジャパン」という用語を見聞きします。これは直訳すると「日本を除いたアジア」。この用語が何を意味するのかおわかりでですね。先進国である日本を除いたアジアという意味でありません。その逆、経済発展を続けるアジア諸国の中で、経済発展が止まり国力も衰退し成長の見込めない日本を除く、という意味で使われているのです。アジアの盟主であった日本の実質経済成長率がマイナスになる中、シンガポール、タイ、インド、中国などのアジア新興国は軒並みプラスを維持し続けています。各国の競争力を示す指標として用いられることが多いスイスのIMD(国際経営開発研究所)が発表した「二〇一〇世界競争力ランキング」では、シンガポールが一位となりました。日本はというと、二位香港、八位台湾、一○位マレーシア、一八位の中国にも手が届かない二七位というありさま。事実として、人口わずか五〇〇万人に満たないシンガポールに日本は大きく負けているのです。その要因はさまざまあると思いますが、日本よりも国土が狭く資源をもたないシンガポールでは、「人」という資源を高付加価値化するための政策や投資を国家レベルで行なってきました。そのことも経済成長に大きく寄与しています。一例を挙げると、シンガポールでは生物医科学、情報通信、創造技術、高付加価値工学といった分野の高等職業技術教育に力を入れ、巨額の国家予算を投じ、日本でいう高校生レベルから将来の技術リーダーを養成してきました。人材開発省、教育省が協働して雇用訓練庁を立ち上げ、職業教育を推進管理する諸部門を統合し、将来にわたって国の最重要資源である「人材」が枯渇しないように基金も設立してきたのです。その結果、情報、金融、化学、薬品などの分野で最先端の技術集約拠点となったシンガポール経済を人材面でも支えられるようになったのです。科学技術教育予算を「無駄遣い」と仕分けし、大学を卒業しても、特に「やりたいことがない」という無気力な人材ばかりを送り出している日本との違いは大きすぎると思いませんか。日本を、もう一度アジアや世界に貢献できるような国にするためにはどうすればいいのか。共に生き、共に価値を高め、安心できるリターンを分かち合うという視点で、何にどのような投資をすればいいのか。

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