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リスクの評価ができない

2019年5月16日「木曜日」更新の日記

2019-05-16の日記のIMAGE
地盤沈下のスピードをチェックするのは意外と簡単で、階数の高い古い建物の築年数を登記簿謄本から調べ、基礎回りの補修跡の深さをその年数で割れば、ある程度は推定できます(ただし、あまりに巧妙に歩道や建物が補修されてしまえば、わからないこともあります)。たとえば、品川区にある東京都陸運局の鮫洲運転試験場の建物などは、わかりやすいサンプルです。玄関アプローチの段差を見ると、地盤沈下の程度が推定できます。埋立地を注意して歩いていれば、実はそうした建物はたくさん見つけられます。もっとも、一番心配なのはやはり地震でしょう。東京湾の埋立地は、月島の一部などを除いて、ほとんどが関東大震災の後につくられたものです。もしも大きな地震が起きれば、橋や道路とその下に埋まっているライフライン(水道、電気など)は寸断されてしまうでしょう。高層建築物のスプリンクラーも作動しない可能性があります。エレベーターは、もちろん作動しません。建物も、杭ではなく、ベタ基礎仕様ならば、被害も大きいでしょう。阪神淡路大震災でわかった、埋立地の持つ脆さになるのは、阪神淡路大震災は、私たちに豊富な研究材料を提供してくれました。最近では、何と言っても、中国、四川省の震災の破壊力がものすごいものでした。私は兵庫県の芦屋にクライアントがいるので関西方面にも出張します。ですから、ポートアイランドや六甲アイランドの状況もある程度は知っています。そこで、気になるのは、最近、人気に陰りが出ていることです。阪神淡路大震災時には、被害が大きかったことで知られる地域です。「東京周辺で、阪神淡路大震災と同じようなマグニチュード7クラスの地震が起こる確率は、専門家の分析によると今後7年以内に約%だといわれています。もっとも被害規模にはさまざまな説があって正確には予測できません。つまり、リスクの評価ができないのです。

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