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不吉な形の人口ピラミッド

2019年5月11日「土曜日」更新の日記

2019-05-11の日記のIMAGE
不吉な形の人口ピラミッドで街の末路がわかる不動産の資産価値という視点で考えると、東京圏の場合、短期間のうちに地方出身者が大挙して押し寄せる一次取得層だけの街の寿命は、概ね8年で終わってしまいます。しかし、その一方で、高額所得層の家族が集まる街にある不動産の資産価値は、江戸時代から数百年経った今でも、その希少性を増しながら維持され続けています。もちろん、経済状況の変化に伴って価格の変動はありますが、賃料は比較的安定しています。この現実は、ますます固定化しつつあります。資産価値の寿命が短い街には大きな特徴があります。それは、特定地域内において、「ひょうたん型の人口構造の未来の特徴を知ることでもあります。それは、その街の人口構造の形が、キノコ型」になっていく推移をイメージすればいいのです。世代が分散した老若男女ではなく、世代が集中した世代構成は、本当に危ない。そういうモデル図を載せておくので、よく見てイメージしてほしいのです。通常、人口ピラミッドの標準的な形は、発展途上国では「ピラミッド型」で、先進国では釣り鐘型または「壷型、とされています(これは、総務省のホームページを見れば、過去、現在、未来の予測を含めて、閲覧することができます)。日本全体で見れば、つまりマクロ的には、「釣り鐘型になっています。しかし、地域ごとに観察すると、かなりの偏りがあります。「新しい街に一次取得層が大挙して入居してくると、はじめは親世代と子世代に集中する。ひょうたん型」になります。それが、8年、8年と経て、子世代が就職したり結婚したりして、独立して家を出ていくとキノコ型」になります。「この頃までには、周辺エリアの商圏では、高齢化の影響で地元スーパーマーケットなどの経営も苦しくなる。というか、すでに閉店しているかもしれないわけです。そんな状況で、どこかの企業の工場跡地に大型ショッピングモールでも完成しようものなら、誰もが車でそこに買い物に行ってしまうでしょう。地元スーパーマーケットの打撃は致命的になり、辛うじて生き残っていた商店街も完全にお陀仏という状態になります。そうなると、そのエリアは、車がなければ買い物ができないエリアとなり、車の運転が難しくなった老人はどうなるかというと、宅配で食品や日用品を買うようになります。ご老人が重い荷物を持ってバスを乗り降りするのも大変です。これでは、地方の過疎地とまったく同じ状況ではないでしょうか。これが、キノコ雲型の人口ピラミッド構造の末路なのです。

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