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街を人口動態という視点で考察してみましょう

2019年5月8日「水曜日」更新の日記

2019-05-08の日記のIMAGE
人口動態の特性を説明する場合、自然増(=出生による人口増)と社会増(=転入による人口増)の両面を見る必要がありますが、高額所得層の社会増が多い街は必然的に賃料相場が上昇していきます。そういう街は、低所得層が多く地域経済の状況が悪化する街とは正反対に、繁栄が維持され続け、さまざまな都市のインフラもますます成熟していきます。場合によっては、高額所得層だけでなく、お金が余っている富裕層も、そういう街にセカンドハウスを買ってしまうことがあります。もとの家に戻る時期がきたら、転用するつもりなのです。「このエリアに住むには、賃料相場が高いから借りるのはもったいない。ならば、買ってしまおう。もしも自分で利用しなくなったら、貸してもいいし、転売してもいい......」彼らは、そう考えるのです。つまり、超アバウトな、投資(?)感覚を持っているのです。この感覚は、庶民的な感覚ではまったく理解できない奇異な行動に見えますが、私は、そういう層を少なからず見てきました。高額所得層や富裕層は、別に所有する家を一つだけとは決めていません。家を二つも、三つも所有していることも、少なくありません。彼らに共通しているのは、単純に不動産を所有することに積極的だということです。「どこかの経済評論家は、「人口が減るから住宅への需要も減る」などという言い古された説を繰り返しています。それは、あまりにも庶民的な感覚なのです。彼らは、家をいくつも買う層がこの世の中に数多く存在しているなどという現実は想像できないのです。机上の作業ばかりで現場を知らないのでしょう。もしも、日本国民のすべてが自宅のほかに、どこかに別荘を持つ経済力を持つことができれば、住宅の需要は2倍になります。あるいは、今よりも2倍の広さのマイホームに住みたいと思い、それを実現できる経済力を持つことができれば、やはり需要は2倍になります。人口が半分になっても、住居面積が2倍になれば、需給関係は均衡します。つまり、何事も経済力によって決まるものなのです。

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