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マニュアルどおりに組み上げていく

2018年9月18日「火曜日」更新の日記

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住宅の骨組み部分を「地震に強く」「燃えない」「シロアリに強く」「腐らない」という、耐久性に優れたPCパネルでつくることにしたのです。そうして内装や建具も工場生産の規格品にして、現場でマニュアルどおりに組み上げていくことにしました。これなら、グレードの高い住宅を、一気にたくさんつくることができます。また、建てる日数を短くできますから、その分、人件費も安くあげられ、市場に安く提供できます。実現に向けた研究と実験は急ピッチで進み、昭和三十三(一九五八)年には初のWPC工法量産公営住宅が誕生しました。この量産公営住宅は「団地」と呼ばれました。団地は、今でこそ当たり前の言葉ですが、そのころは新しい素材と新しい建て方を取り入れ、2DKなど、ダイニングキッチンを中心とする新しい生活スタイルを創造した、革新的な住まいを指す言葉でした。団地は、一躍、社会現象になりました。「団地族」という言葉も生まれたほどです。今の若者には想像もつかないかもしれませんが、そのころは団地があこがれの的であり、団地に住むことがトレンディだったのです。さらに昭和三十年代半ばには、一戸建てと集合住宅の中間的な形態であるPCテラスハウスの建設が始まりました。三十年代後半になると、高層化も必要だという声が高まってきました。そこで高層PCマンションの本格開発に向けて、PCパネルの性能はさらに向上が求められ、加力・振動実験が繰り返されて、より強度が加えられていきました。そして昭和三十年代末に、WPC工法はようやく実用住宅として、民間の個人住宅向けに技術転用されることになったのです。

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