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先行きは不透明

2018年9月16日「日曜日」更新の日記

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例えば建物の大規模修繕について見積もりを受け取ったとき、見積額が妥当なのか、そもそも今やるべきなのかなどについて判断するのは専門知識がないと難しいでしょう。また修繕積立金の滞納や、賃借人がトラブルを起こした際の対応などは、法的な知識が求められます。  ある程度の規模のマンションになると、修繕積立金は億単位の巨額になります。こうした資金の扱い、財務指標の見方や資金計画の立て方などは会計の知識が欠かせません。こうしたノウハウを持つ方がたまたま管理組合の中にいらっしゃればいいですが、そうでない場合、必要に応じ専門家の知識や経験を活用するのは非常に有用です。  例えば、会社経営者が理事として活躍している管理組合は非常に強かったりします。あるマンションでは理事長に経営コンサルティングを職業とする方が就任、非常にうまく組合をまとめていらっしやいます。  一方で、そもそも理事のなり手がいないなど、切迫した管理組合もあります。こうした組合をうまく回すためには、外部人材の登用が不可欠といえます。すでに理事を外部から招聘するスタイルをとっているマンションがいくつか存在します。  こうしたケースでは、理事に議決権を持たせるケース、持たせないケースの両方があります。外部の知恵を活用する場合でも、理事になった専門家や管理会社の社員が議決権を持つことについては、慎重にしたほうがいいと思います。  外部人材の理事登用は利益相反を生まないように、あくまで議決権のないスタイルとして、第三者性・客観性を保てるかたちにとどめておくのが賢明です。  イタリアやフランスのマンション管理組合では、所有者で構成する「理事会」と「管理者」とを分けています。理事会は監査機関的な役割を担い、執行機関としての管理者の業務を監督・監査するといったイメージです。この管理者の中にフランスでは8割、イタリアでは4割程度の外部専門家がいます。国土交通省はこういった、イタリアやフランスのモデルを模索しているようです。しかし、マンション業界では疑問視する声も出ており、検討会の議論は中断、先行きは不透明です。  中古マンションの世界は今、こうした段階にあるということを踏まえておきましょう。

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