住環境が培った思いやりと自制の心
2018年8月5日「日曜日」更新の日記
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- "家庭のなかで、子どもの人生の先輩たる親が、外見の豊かさのみを追い求め、利己的な生き方をしていたらどうでしょうか。それは、改めていうまでもないでしょう。
たとえば、見て悪いことは見まいとし、聞いて悪いことは聞くまいとし、いっていけないことはいうまいとする自制心と分別が身につき、相手に対する思いやりを培う訓練の場ともなっていたのです。
そのような気質がそれぞれの家庭で培われ社会全体の気質となり、思いやり、自制、協調が日本人の美徳になっていったのではないかと思うのです。
「子は親の背を見て育つ」というのは、現代にあっても変わりません。親は子どもにとってもっとも身近な人生の先輩です。その先輩をまねるのは当然のことです。その大人の社会でいま、政治、経済、教育のあらゆる分野で腐敗とごまかしが蔓延しています。
私はいまから二十一年まえ、『幸福を生む住まい』(刀水書房)を世に問いました。
「幸福を生む住まい」はブランド名ではありません。幸福をもたらす原理原則にしたがって建てられ、そこに暮らす人が幸福になる、まさに幸福をもたらす住宅(の考え方)のことです。
住宅には建て方があり、その建て方次第で幸福にもなり、不幸を招くことにもなりかねないのです。しかし、素直にこのことを信じてくれる方は、残念ながら多くはありません。「まさか幸福を生む住まいなどできるはずはない」と思っています。
それは「住宅は単なる建築物」であり、その建築物の善し悪しに住む人が影響を受けるはずはないと信じているからです。
しかし、そのような概念を一度捨てて、「住宅は中心的生活環境」であり、「人は環境の影響を強く受ける」と考えれば、いかに住宅の建て方が重要かが理解できると思います。
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