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住宅が親子の断絶のもとになる

2018年8月4日「土曜日」更新の日記

2018-08-04の日記のIMAGE
"父や母の感情の起伏が激しければ、子どもは親に対して不信感をもち、自分の部屋に閉じこもります。子どもの独立心を育てようとの親心で与えた子ども部屋が、親から逃避するには絶好の隠れ場所になるのです。子どもが個室に閉じこもるようになれば、協調性や忍耐力が育つことも期待できません。 そのような日常の繰り返しは、親や兄弟姉妹との信頼を薄くさせ、お互いが秘密をもちつつ生活するようになります。 そんな子どもは社会の仕組みに矛盾を感じ、攻撃的な子どもは社会への反発心をもって反抗的行動に出たり、気の弱い子どもはイジメられ、苦痛に耐え切れずに死を選ぶことになるのです。 そんな子どもたちが将来大人になって、社会に出てうまくやってゆけるのでしょうか。家庭や学校という小さな社会になじめないのだから、大きな社会になじむことはさらに難しいでしょう。善悪の意識に乏しく、調和も分別もなく感情のおもむくまま身勝手な行動をとるようになることは、容易に想像できます。 それは、プライバシーの尊重と独立心の酒養を大義名分に、安易に子ども部屋を与えているので、家庭内において協調と和の仕組みを身につけるチャンスを逃し、自己中心的な子どもを育ててしまっていることと深い関係があると、私は思っています。 この五十年間に日本人の気質が変化してしまったのと同様に、日本の住宅も変わってしまいました。 かつての日本住宅は、木と草と土を建築素材とし、間仕切りは障子と襖、外壁は士壁という、まったく素朴な有機環境でした。しかし、いまにも壊れそうな構造物でありながら、なかにはいまでも自然の脅威に耐えて数百年の耐久性を誇っているものもあります。 障子と襖の仕切りは、開放すれば家中が一つの部屋になる「オープンシステム」として活用することを可能にしていました。また、壁と違って遮音性が低いため、子どもたちは隣室にいる両親の寝息を襖越しに聞きながら、安らぎを感じることもできます。 "

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