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過剰有機物資材は陽性環境をつくりだす

2018年8月1日「水曜日」更新の日記

2018-08-01の日記のIMAGE
"有機物は、冷たい印象を与える石や金属などの無機質とは異なり、心を和ませ陽気にさせる環境(陽性環境)をつくりだします。そして、それが家庭に肯定的雰囲気とプラス思考をもたらす生活空間をつくりだしてきたのだと、私は思っています。 ところが、最近の住宅は「見た目」のよさやファッション感覚が優先され、無機質の住宅資材を多く使用しているため、かっての日本固有の住宅観は一変しました。 言い換えれば、自然と調和を図り、精神の酒養にも役立ったかっての日本の住宅が、いまでは本質的性格を変え、享楽や快楽の対象となってしまったのです。必要最小限の機能を備えた素朴さから豪華さへ、快適性から快楽性へと、重視するポイントが変化していったのです。 私が住宅職人として反省することは、第二次世界大戦後の困窮から脱出するため、 何ごとも効率を重視した経済第一主義を錦の御旗にしたため、社会にさまざまな歪みを生んでしまったことです。 つまり、人生の拠点であり人格を形成する場であるはずの家庭、そして家庭の基盤です。 最近流行の住宅は、かっての有機物中心の住宅から無機質中心の住宅に変わってしまいました。石、鉄、コンクリートを住宅資材の中心とする無機質的住宅は、地下の環境を地上につくりだしているようなもので、極端な言い方をすれば、原始的穴居生活を現代人が形を変えて再現しているのと変わりません。 私が住宅職人五十年の体験によって得た結論は、いま憂慮されている社会におけるさまざまな問題の原因は家庭環境にあり、その家庭環境を生み出している根源は住宅建築の本質的な誤りにあるということなのです。 住宅という究極の目的を棚上げして、「商品として売れる家」を第一に供給してきてしまったということです。人間が人間として生きていく核となる住環境「環境はすべての生物を変える」「その環境は生物の相互関係によってつくられる」

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