オール電化の営業マン募集

: 当時、父親の店が行っていたのが、省エネ機器のレンタル事業。「圧倒的な販売力を誇る家電量販店と同じ土俵で戦っても勝てっこない」と父が打って出た、起死回生の策でした。私は、「早く父の店を立て直したい」という一心で、必死になって省エネ機器の営業活動に取り組みました。これは、今、思い出しても、肉体的にも精神的にもかなりきつい仕事でした。営業は「飛び込み」がメインでした。１軒１軒、インターフォンを押していくのです。多くて１日２００軒。そのうちの半分は留守。応答のあったお宅でも７割はドアを開けてくれません。「結構です」と断られたり、場合によっては話している途中に一方的に切られてしまうこともあります。断る人は、当然のことながら、たいがい迷惑そうな対応です。ときには怒鳴られることだってあります。これは精神的にひどく傷つきました。ありがたくもドアを開けてくださる方もいます。しかし、そうした場合であっても、ほとんどが断られます。２００軒まわってもなんとか契約ができるのは２軒程度です。つまり、１パーセントの確率。