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自然素材ってほんとうにいいの?

2018年5月4日「金曜日」更新の日記

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 科学技術の進歩のおかげで暮らしやすくなったことはいうまでもありませんが、反面これらの素材や製品が世のなかにあふれ出してからというもの、人類の歴史がはじまって以来かかったことのない病に侵されたり、いまだ原因不明の症状に悩まされている人々が増えていることもまた、否めない事実です。  農薬や接着剤、防腐剤や防カビ剤、塗料やワックス、表面保護剤や芳香剤、化学繊維製品やプラスチック、こうした化学物質や、それらが塗布あるいは含浸された製品が私たちの身のまわりには数多くあります。それらなくして生活は成り立たないといってもいいでしょう。  さて自然素材の話ですが、もともと住まいは、石の家にせよ木の家にせよ、泥や草、氷の家でさえ身近な材料を工夫し、素材の特性を生かし、これらを組み合わせてつくっていました。つまり、これが当たり前で、自然素材を使うということが一番経済的だったのです。茅葺き泥壁の農家の周辺には必ずよい粘土の掘場があり、村全体で使える茅場があり、家の形にしても自然にその地方の気候や風土に合った考え方が取り入れられ、そして村 人みんなでつくっていました。  しかし、今までみんなでつくっていたものに、いつしか専門職が生まれ流通が盛んになり、次第にその土地特有の材料も全国各地で使用され、化学素材の時代になり現在に至っていますが、冒頭のような理由でその姿勢自体に次第に疑問を持つ人々が増えてきています。  できるだけ化学製品や化学素材、化学薬品を使用せずに住まいをつくりたい。不可能ではありませんが、比較的高く、施工しにくく、汚れやすく、狂いやすく、虫に食われる、カビが生えるなど、化学製品がこれらの欠点を克服するために苦労してきた逆の部分をどう容認していくかも課題のひとつです。「お風呂はやっぱり檜だ」と言いながら、日ごろのお手入れは、金属や化学製品のバスタブの数倍の労力を要するという事実を見落とすとたいへんです。

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