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健康住宅に欠かせない計画換気

2018年3月18日「日曜日」更新の日記

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 シックハウス法によって機械換気設備の設置が義務づけられました。なぜ計画換気が必要なのでしょうか。  成人が1日に摂取する水は、2~3リットル。空気はその7~10倍の20リットルの量を毎日身体に取り入れているといわれます。住宅が気密化している現在、健康な生活のためには、いままで以上に換気が大切になったといえるでしょう。  暖房や調理には、依然として室内の空気を燃やす器具が使われていますし、いまや新建材と接着剤にあふれた住宅がほとんどですから、深刻な室内空気汚染が問題となっています。  この室内空気汚染を防ぐためには、化学物質を発生させている塗料や新建材を使わないことと、換気をしつかりすることがポイントです。また、生活用品や家具などから発生する化学物質も空気汚染の原因であるため、計画的な換気のできる住宅をつくるということが最も積極的な対策となるでしょう。  最近の外断熱工法は、結露が原因となるカビの胞子や、ダニの死骸や糞などのホコリ(ハウスダスト)が引き起こす喘息を防ぐ手立てを、建築構造として取り入れてきています。  窓を開け、新鮮な外気を取り込むための間取りや、窓の配置などが考慮されていますが、都会の密集地や幹線道路に面している住宅などは、窓を開けることができない場合もあります。また、窓を開けて換気をすれば、新鮮な空気とともに外のホコリも進入してきます。  高気密・高断熱住宅における計画換気は、室内に浮遊するホコリを取り除き、外部からのホコリの進入を防ぎ、掃除も楽になるという優れたシステムです。 関東地方では春先の強い風が原因で家の中まで真っ白になることがありますが、高気密で計画換気がなされている住宅にはその心配はありません。  計画換気システムは、365日運転することが基本であり、2時間で1回家の中の空気が入れ替わるため、愛煙家のタバコなどもなるべく避けるべきです。  高気密の住宅では、暮らし方そのものにも工夫が必要で、室内の空気を燃焼させる調理器具はできれば使用せずに、ハロゲンヒーターや電磁調理器などを使用するオール電化住宅が理想です。  計画換気の種類によって、メンテナンスの方法は異なりますが、このメンテナンスを怠らないことが計画換気には大切なことです。  換気システムのフィルターには、春先の花粉を除去する能力を持ったタイプもあり、家族や周辺の状況に合わせて選択することができます。  どんなに計画換気が完全に行われていても、その能力以上に空気を汚す原因があるのでは意味がありません。家で使う数多くの生活用品などを「空気汚染」という観点から見直してみる必要があるでしょう。また、換気システムは365日運転することが大切です。電気代より家族の健康のほうが大切なはずですから。  計画換気にも種類があり、熱交換ができる第1種の計画換気と、外部の空気を導入して、室内の汚れた空気を天井裏に設置した集中排気扇で外部に排出する第3種換気が多いようです。それぞれに長所、短所がありますので自分の生活や考え方にあったものを採用することです。  第1種換気は、家の中をダクト配管するため、構造が複雑になります。施工費も当然高くなります。また小屋裏に換気のための機械室が必要となり、フィルターの掃除や点検のための梯子を設置することになります。  高気密・高断熱の住宅で内断熱の建物の場合、小屋裏は外と同じ扱いになるので、この梯子も当然、気密梯子にする必要があります。換気システムエ事のみでなく、付帯工事が発生するわけです。  また、10年、15年後のダクト内部の汚れ具合は外からはわかりませんし、ダクトをまげて施工するため、予定した換気量が将来にわたって確保できるかどうかという不安があります。  第3種換気は、排気は強制で行い、給気は居間の壁に取り付けられた給気口から室内外の圧力差で自然に換気する方法です。システムがシンプルであるため、施工費も安く、ランニングコストも安く上がります。熱交換をしないためのロスはありますが、メンテナンスの負担が少ないため経済的といえます。  この第3種換気は住まい全体の冷暖房計画とセットにして考えなければならないという一面を持ちます。  どちらにしても、これからの住宅は健康のために計画換気が必須条件といえます。  ただし、計画換気システムでも万全とはいえません。それはVOCの性質上、床上の換気が必要になるからです(注)。とくに子供や老人は健康に及ぼす影響が大きく、注意が必要でしょう。

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