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農薬よりも毒性が強いシロアリ駆除剤

2018年3月12日「月曜日」更新の日記

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 これまでシロアリ駆除剤として、農薬とほとんど同じ成分の薬剤が使われてきました。しかも農薬として使用するよりも数百倍も高い濃度で、床下などにまかれてきたのです。農薬には濃度や使用時期(出荷前何日以降は使用できないなど)が制限されているにもかかわらず、人が生活している住宅の床下への散布には、いっさいの使用規制がありませんでした。  有毒なシロアリ駆除剤は、床下から室内に入り込み、特に床面近くで生活することの多い幼児やお年寄りに影響が大きいといわれてきました。しかも健康に多大な影響があると明確にわかっているにもかかわらず、公庫融資建築にはシロアリ駆除剤の使用が必要条件となっていたため、現金建築やローン融資などの住宅を除いては、使用を避けることができなかったのです。  床下については、一部工法や特定の木材を使用することで、シロアリの発生を防ぐことができます。しかし、それらの工法や材料は、安い費用で工事を終わらせたい住宅メーカーの都合で、建築主には説明されないため、採用されることが少なかったのです。また仮に採用したとしても、地面から1メートル上まではシロアリ処理の対象となっていますので、駆除剤の弊害を完全に防ぐ対策は取られてきませんでした。  今回の法改正で、原則、人が居住あるいは生活するすべての建築物について、クロルピリホスの使用が禁止されました。これまでシロアリ駆除剤を有効期限であるおおむね5年ごとに散布し続けてきたのは、いったい何だったのでしょうか。しかも公庫融資を受けるために、危ないとわかっている薬剤の使用を義務づけるなどとんでもない話です。  和歌山毒入りカレー事件の犯行で使用されたヒ素は、住宅の床下にまかれるシロアリ駆除剤でした。いま、座っている畳や床下、壁や押入れから常時毒ガスが出ているとしたらあなたはどうしますか。

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