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身近な建材が化学物質いっぱい

2018年3月11日「日曜日」更新の日記

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 有害な物質に囲まれ、密封された空間における生活は、人によってはシックハウスの症状を引き起こすことになります。特に、断熱効率の違いや、冷暖房のシステムによって化学物質の発散量は大きく異なってきます。  たとえば冬を考えてみましょう。最近の暖房器具として使われるファンヒーターやエアコンなどは、空気を攪拌して温める夕イプのため、28度前後の温度設定をしています。  そのとき、天井部分の温度は40度近くになり、足元は寒いという現象が発生します。それを解決するために温度を上げ、温風も強にして運転する人が多いようです。  しかし、風は1秒当たり0.6メートルで体感温度を1度下げるため、悪循環になるばかりか、カラーフロアーなどから発生した揮発性のガスを対流によって広い範囲に攪拌してしまい、健康に悪影響を与えることになります。  仕上げ素材のなかでもカラーフロアーなどの床材は、壁や天井と違って人が直接触れる建材です。このような身近な建材が化学物質や石油でつくられているのは、世界中で日本の住宅だけなのです。  どんなに洋風化が進んでも、日本の住宅には必ずといっていいほど和室が造られています。  和室の構成にとって畳はなくてはならない素材で、最近はさまざまな色の畳が出まわっています。年数が経つと黄色く変色することを防ぐ畳や、特殊な色を施した畳なども発売されていますが、それらの畳のほとんどは化学薬品で加工されているため、健康面から考えると避けることが賢明です。  また、ダニを防止するために、畳の裏に防虫紙を貼ってある畳が多くなりました。この防虫紙にはスミチオンといわれる有機リン系の農薬が、単位面積当たり畑の実に20倍から30倍も染み込んでいるのです。  くわえて、畳表や藁床などの素材は、中国や韓国製が多いため、残留農薬の危険も指摘されています。普及品の畳に比べて高級品の畳などは、国産の材料で造られているため安全といわれています。  高気密住宅になり、また畳干しの習慣が少なくなった現在、畳も注意したいもののひとつです。  現在、日本で多く使用されている塗料の溶剤は、施工を早く簡単に仕上げるために揮発性の高いものが使われています。揮発性物質は、仕事中に吸い込んだり、皮膚に付けたりすると施工職人の健康に害をおよぼす場合があります。 施工する人の健康によくないということは、住む人にも当然害があるということです。  ドイツのオスモやリボス社の自然塗料などは、溶剤として水を使用しているため、時間を置いて塗装を重ねる必要があり、仕上りは塩化ビニールのドアなどを見なれた人には物足りないかもしれません。  その自然塗料は、化学物質を含まない植物が主な材料として用いられいますが、植物成分の香りが強く、人によっては気になる人もいるようです。  ところで、塗装が必要ということは、塩ビやハリモノの建材ではないということです。リフォームをする場合、塗装ができる素材であれば、自分のイメージに合わせて自由に内装などを変更することができますし、住宅が古くなっても改装工事をして生まれ変わらせることができます。

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