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魚肉と獣肉のちがい

2018年3月4日「日曜日」更新の日記

2018-03-04の日記のIMAGE
 針葉樹と広葉樹の違いは、次のようにもたとえることができそうです。ひと口に肉と言っても、魚肉と獣肉とではずいぶん違います。組成も栄養も違うから、調理法も味つけも、おのずから変わってきます。その違いを木にあてはめるなら、針葉樹は魚肉、広葉樹は獣肉にあたります。  獣肉の料理がわが国に紹介されたのは明治の初期でした。今では誰もが好むビーフステーキも、当時は夷狄の食べ物として敬遠されたのです。広葉樹の木肌が私たちの生活の中に持ち込まれたのも、やはり同じころでした。それまで私たちは、針葉樹の白木の肌にしか親しんでいませんでしたから、ニスで分厚く塗られたナラの木肌には、牛肉の脂っこさのような戸惑いを感じました。 そして一方では、それを文明開化のシンボルとしても受け取ったのです。  針葉樹の白木の肌が基調であれば、畳、障子といった植物材料がそれを取り囲むことになります。石と煉瓦で構築され、ブロンズで飾られたインテリアには、動物質のじゅうたんを敷き、二スをピカビカに塗った広葉樹の重い家具を置かないと釣合いがとれません。私はそうした意味から「金の文化」に対する「木の文化」を、木材という範囲に限るなら「広葉樹文化」に対する「針葉樹文化」という言葉に置き換えることができると思うのです。

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