「欧州危機の日本の金利に対する影響は」
2016年6月17日「金曜日」更新の日記
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- ギリシャ国債のデフォルト（債務不履行）危機に端を発する欧州財政危機は、イタリアやスペインにまで飛び火し、予断を許さない状況になっている。これが日本の金利にどのような影響を与えるのか。 シナリオは二つしかない。 一つ目のシナリオは、欧州危機が悪化して、日本国債の利率が上がり、金利も跳ね上がるというものである。国債の格付けは、ムーディーズやスタンダード＆プアーズといった格付け会社によってなされており、現在の日本国債の格付けは、いくつかのＥＵ諸国の国債のそれと同じか、それより低い。したがって、格付けが同程度の国債が危機を迎えるなら、別の国債も危機を迎えるのが当然ということになる。 もう一つのシナリオは、同程度の格付けを付与されている国債が不履行を起こしたにもかかわらず、日本国債は金利も上昇せず、不履行も起こらないというものである。この場合は、格付け会社への不信がつのるだろう。 日本国債の価格が下がり、金利が上昇すると（債券は価格が下がると金利は上がる）、住宅ローン金利も、デベロッパーの資金調達金利も上昇する。したがって、住宅価格も上昇していくことになる。 欧州危機には注視が必要だが、基本的に日本の金利はアメリカの景気動向に左右されやすい。 現在のところ、アメリカのいわゆる公定歩合は非常に低い水準にある。しかし、アメリカの住宅指数は上がっており、住宅市場が活性化しつつある。アメリカの景気は住宅価格に左右されるところが大きく、住宅市場が活発になると経済が過熱する。そうなると、ＦＲＢは公定歩合を引き上げるだろう。 いまのところ、まだ公定歩合引き上げのアナウンスはないが、住宅指数上昇による金利引き上げ圧力がかかっており、早晩金利は引き上げられることになるだろう。そうなると、日本の金利も影響を受ける可能性が高い。それは多少の時間差を持ってマンション価格に反映されることになる。
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