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住宅を建築する際に

2016年6月3日「金曜日」更新の日記

2016-06-03の日記のIMAGE
北向き住戸の計画やプライバシー優先の考え方には、外国人向けマンションの計画ノウハウが少なからず応用されているようだ。前々からI商事がいうところの「総合商社ならではのプロデューサー機能」を、ようやく感じられるマンションが登場したという感じである。購入者とすれば、今後もこの手の物件がI商事からどれほど新規販売されるのか、注目したいところだ。私のまわりにも、商社に勤める友人が何人かいる。世界を股にかけるというような、絵に描いたような商社マンも数多い。ところが、海外を転々とした生活が一区切りし、帰国していざ二戸建てマイホームを建てるかれらの相談に乗るたびに落胆させられる。本当に海外で何年もくらしたのだろうか、と思わず首をかしげたくなるくらい、求めるマイホームのイメージは貧困だからだ。海外一流ホテルでの宿泊経験や、海外赴任期間中の豊かな生活体験がありながら、その経験が活きてこない。単に金銭的な問題ではない。かかるカネの計算をする前に、自分の経験に裏づけされた生活へのこだわりというものがないのだ。もったいないと感じたことが何度もある。商社が提供するマンションを見るたびに感じるのは、これと同じ感想だ。スタッフには、平均以上の生活環境のもとで育った人も多いことだろう。何よりも社会人として海外に出て、国内ではなかなか体験することのできない生活をおくった人も一人や二人ではないはずだ。ところがその経験が、商品企画に活きていると感じられるマンションになかなか出会えない。各社のキャッチフレーズで目につくのは、「商社ならではの総合力」だとか「総合商社ならではのプロデューサー機能」というものだ。私はこの方針そのものは、不動産会社としての商社の可能性を明快に示すものとして評価している。問題は、こういう企業方針がひじょうに抽象的にしか購入者に響いてこないことだ。「で、商社系以外の他の不動産会社と、どこがちがうのですか?」と質問したくなるほど、その総合力やプロデューサー機能が商品企画にどのように反映されたのかダイレクトに伝わってこない。

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