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『借地権の対抗力』

2016年1月8日「金曜日」更新の日記

2016-01-08の日記のIMAGE
 借地人が借地契約の相手方である地主に対して,自分が借地権を有することを主張できるのは当然です(登記等,特別の方法は必要ありません)。地主の相続人など,地主の包括承継人に対しても同じです。しかし,契約関係にない第三者に対して借地権を主張できるかどうかは別問題です。土地の譲受人など第三者に対して,自分に借地権があることを主張し,認めさせる(その結果,土地譲受人の土地明渡要求を拒絶できる)ことを「(借地権を)対抗できる」と表現し,そのような機能を「(借地権の)対抗力」と呼んでいます。  借地権が対抗力を有する場合には,土地を譲り受けた者が借地契約上の地主(借地権設定者)としての地位を承継することになりますが,借地権が対抗力を有しない場合には,土地譲受人(借地権を認めて借地権設定者としての地位を承継することは問題ありませんが)は,借地人に対して地上建物を収去して土地を明け渡すよう請求することができます。  借地権が対抗力を有する場合として民法が予定しているのは,地上権設定登記と土地賃惜権設定登記だけです。実際には賃借権である場合がほとんどですが,賃貸人は賃借権設定登記手続きに応じる義務がないと考えられていますので,(債権担保目的でなされる場合を別にすれば)借地権について登記がなされていることはめったにありません。  そこで,借地権の安定を図るために,建物保護法で建物の登記があれば借地権が対抗力を有することとされました。そして,借地借家法でも,その制度はそのまま取り入れられています。地上権設定登記や賃借権設定登記は契約当事者の共同申請によらなければなりませんが,建物の登記は,建物所有者である借地人が単独で(つまり,地主の協力を得ることなく)申請することができます。

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