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宅地を買うときは広い視野で地形を確認する

2015年8月20日「木曜日」更新の日記

2015-08-20の日記のIMAGE
新たな土地を購入して家を建てようとするとき、土地の選定にはかなり悩むものだ。慎重にならざるを得ないが、いい土地はすぐ売れてしまうので、決断が遅いと買い損なうし、なかなか難しい。 不動産屋の話はいいことばかり並べているような感じがして、本当のところはどうなのかという不安が伴う。家を設計し建てることの専門家である建築家の立場から検討してみたいと思う。 昔から「ゆるい南斜面の東南角地が最良」という言葉がある。さらに家の前の道路が広いのに車の通行量が少ない「閑静な住宅地」となれば理想的だ。しかし、実際にはこのような土地を求められることはまれである。 そこで、まず大切なのは、その土地が周囲の広い地域の中でどんな位置にあるか、つまり土地の高低のどの場所かということだ。 坂の上の高台にあるのか、坂の途中か坂の下にあるのか、求める土地に隣接する家並みだけを見るのではなく、一キロ四方前後の土地の高低差に注目するとよい。 高台にある家は、水はけや風通しがよく、湿気の少ない土地に建っている。坂の途中にある家は、雨水は下に流れていくから、台風などで浸水することはない。水の通過点なので、敷地内に水が溜まらないように工事上の注意が必要である。二つの位置の地盤については、一般的にしっかりしているといえる。 建っている土地だが、広い地域として見た場合、地形の底にあたるので、水が集まってくる。たいてい川が近くにある。市街地では暗渠になって、遊歩道や細長い公園ができており、ちょっと川だとは分かりにくくなっている。低い地盤の土地はどうしても地盤が弱いところが多く、湿気の多い土地柄と言えよう。 今は下水設備も整っているので、浸水ということは少ないと思うが、事情によってそのような土地を求められたら、基礎を思いきり高くすること、そして地質調査をして地耐力(地盤の強さ)を算出しておくとよいだろう。どちらにしても、家を建てるために土地を求めるときは、建築士に相談されることをお勧めしたい。

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