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本格和風の家には「銀いぶし」の和瓦を

2015年8月17日「月曜日」更新の日記

2015-08-17の日記のIMAGE
陶器瓦の一種である和瓦の表面仕上げの代表的な三例である。実際はもっと細かく分類できるが、広く使われているものから選んでみた。 全国で生産される瓦だが、有力な産地に「三州(愛知県三河地方)」が挙げられる。 三州瓦は、叩くと金属音がするほど焼きが固く、品質も優れており、本格高級瓦というイメージを持たれている。 中でも代表的なもので、「銀色(ぎんしょく)瓦」とか「銀いぶし」といい、渋みのある銀色をしている。ガラス質の紬薬をかけていないので、鈍い銀色の光沢が締麗で、和風の家にとても良く合う。紬薬を塗っていないため、吸水率は塗った瓦より大きく、表面に少し水気が残るので、コケが付く場合もある。銀いぶしを葺いたものだが、年数が経つに従って若干の色むらが出てくることがある。これも味わいといえるだろう。上質なものほど、色むらは少なくなる。瓦の先端が一文字に揃っている。こだわりの美である。 ガラス質を少し含んだ粕薬をかけた瓦は、いぶし瓦の一種で、銀黒という。上面の水の弾きが銀いぶしより良いので、汚れは付きにくい。黒味がかった濃いチャコールグレーは重厚な感じがする。写真Eは葺いて七~八年経ったものだが、年月を経ても色むらがほとんど見られず、安定している。渋味のある光沢は、和風にも洋風にも好まれる。 ガラス質の紬薬をかけて焼いているので、表面が光っている。茶碗の仕上げと同じ原理で水を全く通さず、水切りが良く、コケも生えにくい。価格は一般向きで、渋い高級感は出ないが、汚れが付きにくい。 以上を見ると、水の切れの問題、経年のむら、また好みはあるとしても、本格和風の瓦としては銀いぶしが美しく、風格がある。 和瓦の銀いぶしには、一文字瓦というものがある。屋根の軒先の瓦が丸いのは、通称「まんじゅう」という。平坦になっていて、一直線になっているものは、その様子が一の文字に見えるので、一文字瓦葺と言うのであろう。軒先を長く出すとき、銅板の腰葺屋根と組み合わせて使うことが多い。典型的な和風住宅の屋根である。

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