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軽くて安くて施工しやすいスレート瓦

2015年8月15日「土曜日」更新の日記

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スレートとは、英語で屋根用の薄い粘板岩のことで、本来は玄昌石などの天然石だった。鉄平石もかつて屋根材として使われていたことがあるが、スレート瓦葺きはヨ-ロッパで一三世紀後半から現れ、日本には明治時代に、洋風建築と共に屋根用スレートの技術が伝えられた。東京駅の駅舎の屋根は、天然スレート(玄昌石)で有名である。 人工スレート瓦葺きの代表的なものに、「カラーベストコロニアル」がある。写真は、どこでも見られるこの瓦葺きである。カラーベストとは、カラー・アスベストの略語で、石綿(アスベスト)とセメントを混ぜてプレスしたものだ。昭和三二年、アメリカのマンビル社の技術提供により、株式会社クボタが国産化に成功してから、プレハブ住宅の伸びと相まって急速に普及し、屋根材の一時代を作り、今日に至った。現在では、他の大手の住宅建材メーカー各社も生産販売している。 このカラーベストの特徴は、価格が一般に陶器瓦より安く、陶器瓦に比べて軽いことであり、それが普及した一因であろう。雨の音が金属葺き屋根のように響かない。施工時は、薄い板状のものを釘止めし、カッターで簡単に折れるので作業効率が良い。陶器瓦より屋根の勾配が緩やかにでき、屋根のデザインにも工夫ができる。 問題は、一○年くらい経つと、色があせてくることで、大気汚染が変色を促進させる場合もあるようだ。黒色などは影響を受けにくいとも言われる。またスレートの合わせ部分に、長い年月の壊がたまってくると毛細管現象が起き、雨漏りの原因になるという人もいる。これは、勾配を陶器瓦葺きくらいまで取れば、解決できると思う。 アスベストといっても、綿状ではないので空中に飛散する不安はないが、家を取り壊したり、捨てたりした場合、問題が起きる心配もある。そのため、脱石綿のスレート瓦の開発も進んできている。 デザインの面でも、直線的ですっきりした感じが出せる。それになんといっても、工事費が安いことが、住宅メーカーにも好まれた。 カラーベストが普及した理由は、充分分かるような気がする。

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