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壁内の結露が心配な合板パネル住宅

2015年8月10日「月曜日」更新の日記

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合板(ベニヤ板)を構造用合板として用いるプレハブ住宅がある。出始めのころは、ベニヤで家を建てるのを見て驚いた方も多かったが、今では随分普及した。その住み心地は既に多くの方が体験されているが、果たして日本の木造在来工法と比べてどちらが優れているのだろうか。そこで日本のような高温多湿の風土での気密性と結露の問題を考えてみたい。 ツーバイフォー住宅や木質系プレハブ住宅は、合板のパネルを使うので、ここでは合板パネル住宅と呼ぶことにする。合板パネル住宅は、合板で床板を敷き詰め、その上に壁になる合板を立てる。 室内の気密性は高いだろう。しかし壁の中の空気も密閉されてしまい、そのため湿気に弱く、木が腐りやすく、家の寿命を縮ませる。メーカー側は、通気性を持たせているとは言っているが、充分とれるとは考えにくい。 また、密閉されて温度の上がった空気は、室内外との温度差によって、壁内結露を発生させ、合板をぐずぐずにしてしまうことがある。合板に丸い穴を開けて通気を考えたりするが、仕上げにビニールクロスを張って穴をふさぐので、それほどの効果が上がるとは思えない。 一方、木造在来工法は図2のようになっている。壁内通気はよくできている。しかし、室内の気密性が高いのは、在来工法の家も柱が壁で囲まれる大壁造りなので、合板パネル住宅と同じようになる。木造在来工法の場合、床下の空気は壁の中を自由に通って軒先や屋根から抜けるようになっている。壁の中の空気流通を良くして、構造体の湿気をいつも抜いている。 建物自体、息ができるから、健康で長持ちする。これが一○○○年以上、木で住まいを建て続けている日本人の知恵である。プレハブ住宅が二○年くらいしか持たない場合があるのは、合板で家ができていることと、壁の中の通気不足が原因であろう。 もう一つ大切なことは、合板は一面に接着剤が塗られているので、木としての調湿作用に欠けることだ。そのため、壁内結露の心配がある。さらに、室内もビニールクロス仕上げが主なので、家全体が結露しやすいのである。

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