不動産探しと暮らしのアイデアを伝授!住まING

トップ > 平成27年8月> 9日

音が響くのが気になる鉄骨造の家

2015年8月9日「日曜日」更新の日記

2015-08-09の日記のIMAGE
鉄骨の建物は、重量鉄骨造と軽量鉄骨造とに分けることができる。 ビルなど大規模な建築には、柱の太さが三○センチを越え、鉄板の厚さも一センチ以上あるような重量鉄骨が使われる。一方、個人の住宅に用いられている柱は太さが一○センチにも満たない。鉄板も三ミリから五ミリと薄くできている。軽量鉄骨プレハブ住宅である。 重量鉄骨造の建築は、少ない柱で大きな空間が作り出せるので、高層建築にも向いている。しかし柱や梁が大きいため、部屋の隅や天井に突出部ができ、室内の使い方に不便がある。コストの面でも割高になり、個人の住まいとしては利用しにくい建築工法である。 鉄骨造を住宅に用いるときの問題を音の点から考えてみる。 「軽量鉄骨の住宅は、音が響いて安らぎがない」という声を実際に住んだ方から聞くことがあるが、それは鉄が音を吸収せず、反射させるからである。木造の場合だと、柱などの木が適当に音を吸収してくれる。 一方、鉄の中の音の伝達は、一秒間に約五○○○メートルといわれている。鉄骨造と木造の差は歴然としている。 加えて、軽量鉄骨プレハブ住宅は、工事の合理化のために、外壁に軽い空気を含んだコンクリート板(ALC板)や、サイディングのパネルを張るので、工期は短縮される。しかし、遮音性に劣る面がある。 鉄は高い強度を持つ材料である。しかし、写真Bのような軽量鉄骨住宅の場合、使う部材が薄く細いのが気になる。また、触れても冷たく、熱伝導率が大きいので、壁内結露の心配がある。建物そのものの振動音も問題だ。軽量鉄骨住宅の場合、手のひらで鉄柱をドンとたたいてみると、振動が伝わりやすいので、家全体にズーンと響く。木造なら、建物に発生する音も、木が吸収してくれる。 このように、鉄骨の建物は、倉庫や仮設住宅、超高層建築に向いているが、戸建住宅には適していない面が多い。 また、鉄は火災時の高熱に弱く、熱でアメのように曲がってしまう。必ずしも、火事に強いわけではない。

このページの先頭へ